近年、注目されているナラティブマーケティング。従来の一方向的なストーリーテリングとは違い、ブランディングとしての効果も高いのが特徴です。コーポレートナラティブをしっかり定めることにより、社外及び社内においてブランドパーパス(ブランドの存在意義)を見直すよい機会となることでしょう。
それでは、コーポレートナラティブは、どのように作成していけばよいのでしょうか。本稿では、弊社で担当させていただいていたグローバル企業様の実績をもとに、その進め方の一例としてご紹介したいと思います。
- 目的、ターゲットの明確化
- キーパーソン(複数)にインタビュー
- キーワードマッピング・グルーピング
- ワークショップ、ディスカッション
- コピーライティング
1. 目的、ターゲットの明確化
まず、”なぜコーポレートナラティブを作成するのか” その目的を明確にします。会社が置かれている状況、社会背景、競合他社の動向など丁寧にリサーチ・分析し、チームメンバーで共有します。
また、早い段階で”誰に向けたナラティブなのか”を知るために、ステークホルダー分析を行うことや、具体的なターゲットを明確にすることもとても重要です。ターゲットの方向性が複数になる場合は、最終的にナラティブを数パターン作成するなどアレンジしてもいいかもしれません。
2. キーパーソン(複数)にインタビュー
会社の各部門のキーパーソンの方々にご協力いただき、それぞれの会社に対する思い、現状の課題、今後への期待など、ざっくばらんにヒアリングし、ナラティブの方向性を探りながらキーワードを抽出していきます。
3. キーワードマッピング・グルーピング
複数のキーパーソンの方々にインタビューした結果をまとめ、重要なキーワードをマッピングしていき、グルーピングしていきます。
4. ワークショップ、ディスカッション
キーワードマッピング・グルーピング作業の総仕上げとして、ワークショップを開催し、ディスカッションの場を設けます。ここでは、あまり大人数にならないよう(最大6名程度)に参加人数を絞り、内容の濃いブレインストーミングができるようにする配慮が必要です。大きなホワイトボード、大きめの付箋と書きやすく見やすいペンの他、リラックスした雰囲気づくりのための飲み物やお菓子の準備も重要です。(*KJ法のメソッドに基づいたワークショップを採用した場合)
5. コピーライティング
ワークショップ、ディスカッションでの結果を踏まえて、最終的な文章化をしていきます。選定したキーワードがしっかりと適切に盛り込まれているか、トンマナが会社の文化に合っているか、あらゆる角度から審査します。2-3回程度の修正を経て、最終形のコーポレートナラティブを決定します。一般的には、一文のキャッチコピーと数行のボディコピーによって構成されることが多いです。
いかがでしたでしょうか。今回はコーポレートナラティブの作成方法にフォーカスして、ナラティブマーケティングについてご紹介しました。よいナラティブは、社内外の関係者の心に刻まれ、ブランドの持つ力を最大限に発揮することにつながります。弊社では、日本語のみのコピーライティングに限らず、英語でも対応可能ですので、グローバルに通用するコーポレートナラティブの作成もおまかせください。