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ローカリゼーションの観点から見た中国

多様で巨大な市場を理解する

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ローカリゼーションの観点から見た中国

中国は、傍から見ると単一の国であるように見えます。しかし、ローカリゼーションのプロフェッショナルは、中国語が台湾、香港、シンガポール、マレーシアなどを含む多くの地域において、さまざまな形で存在することを知っています。ローカリゼーションプロジェクトで中国語での制作が必要な場合には、それぞれの中国語の違いをしっかりと把握し、その知識に基づいて市場にアプローチすることが重要です。

どの言葉がどの地域または国で使用されているのか、また話し言葉と書き言葉の違いなども含め、簡体字中国語と繁体字中国語の違いを見てみましょう。

簡体字中国語

この名称からもわかるように、簡体字中国語とは簡略化された漢字を使用する書き言葉です。教育を受けた中国語話者ならば知っている8,000以上の漢字が、よりわかりやすい表記に簡略化されました。

簡体字中国語は、中国本土で北京語を話す人々が使用しています。つまり、北京および中国本土の大部分の人々が、北京語を話し、簡体字で読み書きしています。 しかし、中国南部の香港に近い地域では、人々は広東語を話し、簡体字で読み書きしています。香港とマカオでは、人々は広東語を話し、繁体字で読み書きしています。

繁体字中国語

台湾、香港、マカオ、そしてマレーシアでは、独自の、そしてさらに複雑な漢字が使用されています。しかし、話し言葉は各地域によって異なるので、例えばビデオを制作する場合は、ナレーションや字幕はそれぞれのターゲット市場に合わせる必要があります。以下は、各地域で使用されている中国語の大まかな一覧です。

中国:簡体字中国語/北京語
香港:繁体字中国語/広東語
マカオ:繁体字中国語/広東語
台湾:繁体字中国語/台湾標準語
シンガポール:簡体字中国語/北京語
マレーシア:繁体字中国語/北京語

簡体字中国語/北京語の組み合わせが、最も多くの人が理解できると考えられます。しかし、台湾、香港、またはその他の国の人々にアプローチしたい場合には、簡体字中国語/北京語の使用は効果的ではないことがわかります。

ターゲット市場を把握する

西洋の場合、アメリカのテレビでアメリカの製品のコマーシャルを強いイギリス訛りのナレーションで放映したら、多くの消費者には伝わらないと思います。一応内容を理解することはできるかもしれませんが、文化的にも個人的にも、共感を得ることはできないでしょう。ですから、香港で簡体字中国語の文字と北京語のナレーションでコマーシャルを放送する場合も、同様の結果になると思われます。

このため、中国市場向けにローカライズする際には、コンテンツの対象となるユーザーを明確に定義することが重要です。財務的な観点では、できるだけ多くの中国語話者にリーチするには、簡体字中国語/北京語と繁体字中国語/広東語の2つのバージョンのコンテンツが必要です。台湾で質の高いコンテンツを提供することに重点を置いている場合は、繁体字中国語/台湾標準語を使用する3つ目のバージョンも必要になるかもしれません。

皆さんが次回クライアントに中国語での制作を依頼された時には、中国語の言語的ニュアンスを十分に理解して、「どの中国市場をターゲットにしていますか?」と尋ねてみてください。

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